夜の朝顔(豊島ミホ)

小学生の女の子を主人公にした連作短編集。

ひとりの少女の小学1年から6年生までを綴ってあるんだけど、著者があとがきでも書いいる通り「しこり」のある話が多い。なので、びみょーに読後感が良くないような・・・。

学年が一つ上がるごとに、「しこり」の深刻さみたいなものが深くなっていく。飲み込まなくちゃいけない感情が大きくなって、なかなか簡単には飲み込めなくなってくる。家族や友だちへの気遣いとか、遠慮とか・・・。人間関係が複雑になるにつれ、今まで知らなかった感情を知る事になって、その分余計に神経を使わなきゃいけなくなるんだよね。特に小さな街だと、1学年が1クラスしかないから、小学校6年間ずっと同じ顔ぶれだし。微妙な感情のすれ違いがあっても、ずっとクラスが変わらないから逃げ場がないし・・・。だから、友だちとは上手に付き合っていきたいんだけど、自分の気持ちを完全には殺せない。こんな時、どうすればいいの? 

そんな揺れる思いが、主人公センリを通して上手に描いてありました。どのお話も、なにかしら憶えのあることが多くって。そうだったよな~とか、あ~それ分かるよ~とか、自分の小学生時代を思い出してしまいました。楽しい事もあったけど、思い出すと苦い気持ちがいっぱいに広がるものの方が、思い出として強く心に残ってるんだよなぁ・・・。そんなことを、豊島作品を読むと感じることが多いんだけど、この作品でもそうでしたね。

この作品を読むと、誰でもひとつは「あ~そうだった」と思い当たる事があるんじゃないのかな、と思います。

夜の朝顔

この記事へのコメント

2007年10月10日 20:33
苦さを伴う想い出が甦ってきちゃう作品が多いですよね、豊島さんの作品って。
この作品もそうでした。
でも、懐かしいなぁって気持ちが大きかった分、自分も成長したのかななんて思っちゃいました。
エビノート
2007年10月10日 20:34
TBが反映しないようですね…
時間をおいて再送してみます。
すずな@主
2007年10月11日 06:12
>エビノートさん
そうなんですよ!豊島作品って、”スッキリ爽やか”って読後感は少ないですよねぇ^^;
でも、”懐かしいなぁ”という気持ちが湧き上がることも多くって、読むのを止められないんですよね・・・。

TBの件、お手数お掛けします;;;申し訳ありませんが、お時間のある時にでも再送、お願いします。

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