温室デイズ(瀬尾まいこ)

ちょっとホッとしたいという気持ちで手に取った瀬尾さんだったんだけど、あまりにも重い内容に「げ;;;」と慄きながら読むことになってしまいました。失敗したなぁ・・・。

「温室」=「学校」ということで描いてある作品。小学校の学級崩壊の様子から始まるこのお話は、「学校」を「温室」とは呼べるようなものじゃなくって、タイトルに騙されたような気分。

小学校で学級崩壊を体験したみちると優子のふたりが交互に語る、中学校の学級崩壊の様子。クラスが徐々に病んでいく様子がとってもリアルなのは、著者が現役の中学校教諭だからなんでしょうか。それにしても、現役の教諭がよくこんなテーマを扱ったよなぁ・・・。みちるの言動をきっかけにイジメが始まるクラス。イジメの対象になってしまったみちるに何も出来ず、教室へ行けなくなる優子。でも、二人とも逃げないし、誰かのせいにすることもない。どっちも、強くて弱い。ただ、その強さ、弱さがそれぞれ違っているだけなんだよね。

イジメの様子や、それを受けるみちるの心情が淡々と書かれていて、読むのにかなりのパワーを必要としました。すっごい重ぉーい気持ちで読み進めなきゃいけなくって・・・。途中で、読むのを止めようかとも思っちゃいました。でも、読み進めるうちに、ちょっとずつみちるを応援する人が見え隠れして、だんだんとその重さが減っていったのが救いでした。吉川先生や斉藤くんの、ちょっとした気遣い。誰か一人でも味方がいるっていうのは嬉しいし、とっても心強い。なによりも、お父さんの涙。さすがにもらい泣きしちゃいましたよ。

希望を持てるようなラストではあったけれど、大団円という感じではなくって。読後感が爽やかでスッキリしたものだけってことはなかった。結局、一人一人が出来ることって限界があるし、子供達だけの力じゃどうにもならない。でも、大人だからって何とか出来るものばかりでもない。そんな歯痒さみたいなものが残りました。そういうところが、とってもリアルでした。読んでる間中、かなり気が重かったけれど、最後はちょっとだけでも希望が持てて、良かったな~って気持ちにはなれました。

温室デイズ

この記事へのコメント

2007年10月15日 21:16
こういうテーマのものを読むと、やりきれない思いに駆られてしまいます。
けど、目をそらしちゃいかんよなぁとも。
特に自分の仕事に関わってくるものだけに。

2007年10月16日 01:14
お父さんの涙に心強さを受け取ったみちる、健気でしたね。ずっと応援していました。
歯痒さを感じながら、目配りや気配り、できることについて考えました。
すずな@主
2007年10月16日 09:08
>エビノートさん
このテーマの作品を読む時はパワーを使いますよね。現実でも頻発している問題なので、目を逸らさずに読みたいとは思いますが、重い気持ちになっちゃいます。。。
お仕事にも関わるものなら、こういうお話は余計にシンドイでしょうね・・・。それでも、目を逸らしちゃいけない、というそのお気持ちに声援を送りたくなっちゃいました。

>藍色さん
お父さんの涙にはきましたね~。やっぱり”親”ってすごいな、と改めて感じた場面でした。
一人でも味方がいるって心強いもんです。(私も経験した事があるので・・・)誰かが困っている時、何気ない目配り気配りが出来るようになりたいです。。。
2007年10月17日 21:49
 私もいつもの瀬尾さんらしいほっこりさを期待したので、読みはじめてすぐに「げげげ」でした。。
 でも、読み進めるうちに救いも出てきて、いろいろ考えさせられたり、励まされたりで、読み終わる頃には「読んでよかった」って思える本でした。
すずな@主
2007年10月18日 15:36
>miyukichiさん
同じでしたか!
タイトルからして、ほっこりできそうですもんね;;;
最初は引いてしまいますが、読んでいくうちに色々と考えさせられたお話でした。

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