永遠と一日(藁科れい)

不思議な本だった。ファンタジーだと思ってたら、”ファンタジー”だけには括れないような・・・。

物語の世界へ一日だけトリップさせてくれる「魔法の青いめがね」を手に入れたウィーン在住の商社支店長夫人・瀬川幸子。彼女は青いめがねを使って、『赤毛のアン』『白鳥の湖』『美女と野獣』そして、『ロビンソー・クルーソー』と次々と物語の世界へトリップしてしまう。そして、昔のアルバムを使って、自分の小学生時代へ戻る事に。そこには、幼くして亡くなった弟フカちゃんや、大好きだった下田くんがいた。ところが、一日で戻れる筈だった元の世界へ何故だか戻れなくなってしまい・・・。

語り口がちょっと古いっていうか固いっていうか・・・。なんだか、専門書みたいなものを読んでる感覚。ちょっと前の世代に書かれたものかな、と錯覚しそうになった。そんな訳で、少しだけ読み難さを感じながらの読書になりました。

瀬川夫人が物語の世界にトリップしても、すっごく現実的で”非現実の世界”に入り込んでるって感覚がないの。もう、そこは本当にリアル。50代のおばちゃんがそのまんま、アンやダイアナと会話して、ロビンソーと食事する。その描写がめっちゃリアルすぎ(笑)
ところが、過去の世界へトリップした時は、そこは途端に”非現実の世界”って印象を受けてしまったんだよね~。何でだろ?瀬川夫人の意識の差なのかな、やっぱり。過去の世界は、楽しいこともあったけれど、辛いことも多くて。”ポンポ”のところでは涙を押さえられなかった。クールな印象を受ける瀬川夫人。そんな彼女の過去。こんな過去があれば、ある意味、達観するというか「そんなもんよ」と思いながら人生を過ごしているのも頷けるな~と思えました。

このお話、いったいどんなラストを持ってくるんだろ?と、読み進めていくうちに考えずにはいられなかったんだよねぇ。ラストが近づいてくるにつれて、だんだん不安になってきて・・・。
そして、ラスト。・・・あ~そうきたか!という感じで。それが一番、納得できるし、スッキリするラストだな~と思った。最後は、ちょっと泣けちゃいました。


・・・もし、物語の世界へ一日だけトリップできるとしたら・・・。
私は、どのお話の世界へ行きたいかなぁ。「アルプスの少女ハイジ」とかいいなぁ。アルムのもみの木を見上げて、やぎの乳を飲みながら、とろ~りとしたチーズをのせたパンを食べる。うっわー生唾もの(笑)そんでもって、干草のベットで星を眺めながら眠ったり、野原を駆け巡ったり。そして、雲の上に飛び乗ったり・・・は、出来ないか(笑)そだ!「成風堂書店」にも行ってみたいなぁ~。「秘密の花園」も覗いてみたいし、あとね~えっとね~・・・と、空想は留まるところを知りませんね(笑)

永遠と一日

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