魔王(伊坂幸太郎)

なんかちょっとですね、今まで読んだ伊坂作品と違うような、でも、やっぱり伊坂さんだよな~って思っちゃうような、そんな作品でした。めっちゃ分かり難い表現だけど(笑)

タイトルの「魔王」と「呼吸」の2編の小説。「魔王」で、え?これで終わりっ!?それってちょっと・・・と思ったら、次の「呼吸」がその続編のようになっていてほっとしました。

”群集心理の怖さ”というものを改めて感じた作品でした。フィクションとはいえ、実際に起こった事件にも触れられていて、その時のマスコミ報道やそれを受け取る私達。一気に盛り上がったバッシング。そして、それが二度目、三度目となると・・・。改めて考えると、ぞっとするというか、衝撃を受ける。その通りだよね。自分の意見だと思っていたこと、思っていることが、本当は所謂「群集心理」というものに流されているだけなのかもしれない、ということに気付かされる。というか、目を逸らさずにきちん見なさい、考えなさい、と戒められたような気がしました。私は自分の意見だと思っていたけれど、本当に踊らされてなかったと言えるのか?冷静に判断したのか?「ちょっと待てよ」と考えることは大切なんだぞ、と。

「クラレッタのめくれ上がったスカートを、直してあげられる人間になりたい。少なくとも、直してあげたいと思える人間に。」~本文より~

この言葉が印象的。これはイタリアのムッソリーニが処刑された時のことを言ってるんだけど。私も、スカートを直してあげられる人になりたいと思うけれど、どうかな・・・と自信がないので。だから、せめて”直してあげたい”と、そう思える人にはなりたいと思う。ならなくちゃ、と思う。
そして、現実に「9条改正」や「国民投票」ということに直面した時は、「考えろ、考えろバクガイバー」です。

魔王

この記事へのコメント

2007年09月01日 22:29
 こんばんは♪
 
 群衆心理に無意識に踊らされることも怖いけれど、それが正しくないと自覚しているのに口にできない状況だとしたら、それもまた怖いです。
 「クラレッタのめくれあがったスカートを直してあげられる」、そんな勇気ある人間に、私もなりたいです。

 http://blog.goo.ne.jp/miyukichi_special
2007年09月01日 23:16
こんばんは~。

この作品に描かれたことが、そう遠くない未来にやってきそうですよね。
その時に、自分でしっかり考えて答えを出せるようにしておかなくては!と思います。
すずな@主
2007年09月02日 08:46
>miyukichiさん
踊らされるより、口に出来ない状況の方が怖いかもしれませんね。
”クラレッタのスカート”は印象的なエピソードでしたよね。そういう気持ちだけは持っていたいと思いました。

>エビノートさん
そうですよね。
なので、とっても現実感があって余計に考えさせられる作品でした。
2007年09月03日 01:49
こんばんは。
「ちょっと待てよ」と、自分で考え行動する事を提起する作品でしたね。
安藤と弟の潤也くん、そして詩織ちゃんの信頼関係が心に残っています。
すずな@主
2007年09月03日 10:46
>藍色さん
そうですね。なので、「考えろ、考えろ、マクガイバー」が印象的でした。
3人の信頼関係、特に兄弟の信頼関係は羨ましいなという^^;私はそこまで信頼される姉ではないので(笑)
2007年09月06日 02:12
すずなさんってお姉さんだったんですね。
文章が若いので妹さんだと思ってました(汗)。
信頼関係って目に見えないものですが、きっとあるはずで…弟?妹?が困ってる時にアドバイスしたりすると、評価が上がるかも、です。
と言う私は一人っ子なので想像でしか言えませんし、気がつけなくてあちこちでひんしゅくを買ったりしてるかもしれませんけど(苦笑)。
すずな@主
2007年09月06日 06:30
>藍色さん
あ、あらぁ~、実はお姉さんなんですよー。おまけに若くないんですよー。文章では若作りしてるだけなんです(笑)
藍色さんは一人っ子なんですか!なんだか、シッカリ者ってイメージだったので、てっきりお姉さんだと思ってました^^;
2008年04月25日 00:42
すずなさん、こんばんは(^^)。
自ら考えることを忘れ、群集心理に流されることの恐さ・・・。
まさに「考えろ考えろ!マクガイバー!」なのですね。
兄弟の絆と、「俺は勝つよ」の言葉が、とても救いに思えます。
「呼吸」の50年後の物語が、この夏出るという情報をほかのブログさんで見たのですが、潤也の戦いがどうなるのか、そして日本(『魔王』の世界)がどうなるのか、とても気になりますね~。楽しみです。
すずな@主
2008年04月26日 13:56
>水無月・Rさん
「考えろ考えろ!マクガイバー!」が印象的な作品でしたね。周りに流されず自分で考える。大切なことだし、実はとても難しいことだということを感じた作品でした。
続編が出るんですか!うわー楽しみですね♪・・・その前にこれを再読しておきたいです^^;

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