小袖日記(柴田よしき)

柴田さんって、こんなお話も書くのかぁ、と意外に思いながら読んだ。柴田さんの書くお話って、いつでも女の情念のようなものが漂っていて、じとぉーって、こうなんての?湿気が絡み付いてくるような印象があったんだよねぇ。すごい表現だけど(笑)まぁ、このお話もね、根底に流れるものは、まさに女の情念そのものなんだけども。それが、タイムトラベル物だったからか、もうちょっと軽い感じで描いてあるような、そんな印象を受けました。いつもより、ちょっと乾いてて明るめな感じ。

上司との不倫に破れて自暴自棄になった主人公が平安時代にタイムスリップしてしまって、”小袖”として「源氏物語」を書いている香子さまの為にネタ探しに奔走する。・・・とまぁ、そんなお話。
最初にも書いたけど、今までとちょっと違う柴田さんだったので、戸惑ったって言うかね。私の好きな「源氏物語」をどういじるのかーっ!?という思いもあったりして、読み始めた時は「うーーん;;;」だったんだよね。それが、読み進めるうちに、だんだんとお話に夢中になってしまって、最後は一気に読了!となってしまいました。たらたらだらだらと寄り道しながら歩いていたのが、だんだんと早足になって、最後にはわき目も振らず一心不乱に駆け抜けた、という感じ。

源氏物語の「夕顔」「末摘花」「葵」「明石」「若紫」がどうやって書かれたか、真相はどうだったのか、と。「源氏物語」フリークには、評価が分かれるところかもなぁ、と思います。「なんだそれはっ!?」とすんごい反発しちゃう人もいるかもしれないなぁ・・・。私は、なるほどなるほど~おぉっ、そうきたかーっ!ほっほぉ~ふへ~うむむむむうははははと、新鮮な驚きを覚えつつ、楽しく読めました。そういう解釈も面白いじゃないかと思った。糖尿病、同性同士の愛、乳癌に駆け落ち。どれもこれもが、すんごい現代風な解釈なんだけど。
元々のお話をどう解釈しようと、どう話を広げていこうと、それは大元がしっかりしてるから出来る訳で。それへの”愛”を感じられれば私的にはOKです。

小袖として色んな女達と関わった主人公のあたしは、最後には「しっかり生きていかなくちゃー!」という決意を持って、自分の人生を歩んでいく。タイムトラベル物のお約束通りといえば、その通りなんだけどね(笑)私も頑張らなくちゃ!という気持ちを多少なりとも感じつつ読了しました。・・・もう一人はどうなったのか、ちょっと気になるところではあるんだけども(笑)

小袖日記

この記事へのコメント

2007年08月01日 23:25
こんばんは!
タイムトラベルの設定がややこしかったんだけど、源氏物語をこう料理するのか!ってところが面白かったです♪
現代の感覚で、平安の世をみればこういう風に見えるのかも。
もう一人がどうなったのか、私も気になります!
すずな@主
2007年08月02日 11:36
エビノートさん、こんにちは。
設定がややこしかったですねぇ。というか、その説明がクドイ;;;って感じで。つい読み飛ばしてしまいました(笑)
源氏物語の現代風解釈って感じが面白かったですねー!とっても新鮮でした。
もう一人、気になりますよねぇ・・・。
2010年10月29日 22:54
すずなさん、こんばんは(^^)。
微妙にパラレルワールドな平安朝に自分がトリップしたら、どうなっちゃうんだろうなんて思いながら読んでました♪
面白かったですね。
もう一人のタイムトラベラーは現代に戻ってこられたのか、さり気ない接触があるといいなぁって思いました。
そこまで書いちゃうと、ご都合主義的になりそうだから、描かなかったのかもしれませんけどね(^_^;)。
すずな
2010年10月30日 12:37
>水無月・Rさん
自分がトリップしたら…どうなっちゃうんでしょうね^^;そんな想像をしながら読むのも楽しいだろうなぁ~と、水無月・Rさんのコメントを読みながら思いました。
もう一人のトラベラーと現代ではなにか接触があったのか…気になりますね~。確かにご都合主義かもしれませんが(笑)、出来れば再会出来てればいいな~なんて思います。

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