赤朽葉家の伝説(桜庭一樹)

なんとも感想が書き難い。どう書いていいのかわからなくて、昨日UPするはずだったのに途中で挫折してしまいました。上手く言葉に出来るのか心許ないんだけど・・・。

この著者は初めて。前々からタイトルに惹かれてたんだけど、直木賞候補に選ばれていたので興味倍増。やっと読めました。一言で言うと「あ~ぅぅぅ。また、読破したい作家さんが増えてしまったよ;;;」ということで。嬉しいような、嬉しくないような・・・(笑)
それにしも、この作品が直木賞をとれなかったんだから、北村さんの「玻璃の天」落選も頷けるよなぁ・・・と、そんなことを思ってしまいました。北村さんの落選は本当に残念ではあるけれど、私的にはこの作品の方が面白かったんだよねぇ・・・。

千里眼の祖母、万葉、漫画家の母、毛鞠、そしてニートのわたし、瞳子。瞳子の語りで鳥取の旧家赤朽葉家に輿入れした万葉、その娘の毛鞠、孫の瞳子の生き様がが語られる。3人を語りながら、日本の昭和~現在の社会というか歴史も語られる。高度経済成長、公害病、暴走族、バブル、いじめ、引篭もり、ニートなどなど。3人の人生を読みながら、あ~そういう感じだったのかぁ、あ~朧気だけどそんな感じだったよなぁ、と日本の辿ってきた道も一緒に読めました。読めたというよりも、私も一緒になって時代の波に揉まれたというか、翻弄されたというか、そんな気分になりました。1世紀、100年も経っていないのに、もう数え切れないくらい色んなことがあって、人々の暮らしも随分と変わってるということを改めて感じて、なんだか目が回ったような感じ。疲れた(笑)

最後に瞳子が謎を解き明かしたところでは、あまりの切なさにうっかり涙してしまいました。そして、このお話は3人の女性が語られながらも、結局のところ万葉のお話じゃないか。それも、めちゃめちゃ「恋愛小説」じゃないか!と・・・。まぁ、どこをどう読むかは読み手次第なんで、このお話を私と同じように「恋愛小説」と位置付ける人がいるかどうかは分からないけど。

「未来が視える」ということを、淡々と受け入れている万葉はすごいと思う。視えることによって深く傷つき、哀しみを抱えながら生きていかなければならないのだけれど、”運命に翻弄される”という印象は受けない。流れに逆らわず、かといって、ただ流されてる訳でもないというか・・・。運命を丸ごと抱きしめてる感じ?うーん、ちょっと上手くは言えないけれども。未来視の力を持ったことによって、哀しみが増え、たくさん苦しんだりもする。でも、その哀しみや苦しみだけに囚われてない。その芯のところの”揺るぎなさ”とでも言えばいいのか、そういうものがすごいと思った。

ラスト数行。いきなり読者に向かって話しかけられて面食らう。うわ、びっくりするじゃないか!という感じでして(笑)でも、とっても心に残る数行でした。ここでも、うっかり涙したんけど・・・。

赤朽葉家の伝説

この記事へのコメント

しんちゃん
2007年07月30日 16:32
こんにちわ。
3人の女性と周りにいる人たちが濃いかったね。
脇役だけど、百夜親子が笑えました。
無慈悲な設定がツボに嵌っちゃって(笑)
やぎっちょ
2007年07月30日 17:59
すずなさんこんにちは♪
TBがやはりうまく飛ばなかったようなので、直リンクを貼らせていただきました。
ほんとこれは万葉の恋物語でしたね。でもなぜかインパクトが強くて(心にではなく)頭に残っているのは、毛毬がなんだっけ、いじめられた弟のことを大人連中に訴えた場面ですね~。確か「机の上でパンツ脱がされて平気なのかよ!」的な感じだったと思うけど・・・(ちゃんとは覚えてい・・・)。
後はなんといっても恵比寿柱の真砂ですね。あまりにベタなじとーーーという視線が忘れたくても忘れられません。しかも恵比寿柱(笑)
藍色
2007年07月31日 01:04
こんばんは。
桜庭さん、初読みだったんですね。
衝撃が大きくて感想が書きにくい感じが伝わってきました。
時代の流れに目を奪われがちですが、もちろん万葉の「恋愛小説」という見方もできます。
そうしたいろんな要素を持ち合わせた、スケールの大きさを感じさせる作品でしたね。
すずな@主
2007年07月31日 10:40
しんちゃん、こんにちは。
濃かったですよねー。凄すぎって感じ。
それ以上に百夜親子もなかなかでしたよね(笑)
すずな@主
2007年07月31日 10:45
やぎっちょさん、こんにちは。
TBではお手数をお掛けしました。いつもありがとうございます。
毛毬が弟のいじめに気付いて大人に訴えるところは衝撃でしたよね。「便器舐めれるのか」ってのもありましたし・・・。かなりガツンときました。
そうそう!恵比寿柱の真砂(笑)なんというか、真面目でそれなりに重いお話のはずなのに、みょーに笑えるキャラも登場してて、そのバランスがすごかったです。
すずな@主
2007年07月31日 10:47
藍色さん、こんにちは。
スケールが大きすぎて、私の中で少々、もてあまし気味な感じになってしまいました^^;
桜庭さんは初めてで、もっと早く読めば良かった;;;と後悔しました。
2007年07月31日 22:24
すずなさん、こんばんは!
女3代の濃密な物語、読み応えがありましたよね~。
でも、ところどころ笑える要素もありで、読んでいて楽しかったです。
(万葉の子達の名付けとか 笑)

桜庭さんの小説初!だったんですね。
『少女七竈と七人の可愛そうな大人』これもおススメです♪
機会があったら、ぜひ!!
すずな@主
2007年08月01日 06:14
エビノートさん、こんにちは。
子供たちの名付けは、すごかったですよね~(笑)内容的には笑えない筈なのに、そういうところで笑わせるというギャップが面白かったですね。

オススメありがとうございます!早速、探してみますね~。
2007年08月02日 23:01
すずなさん、こんばんは(^^)。
壮大な赤朽葉家の物語、読んだはいいけど感想が…って、私もでした。なかなか濃厚でしたね~。
桜庭一樹、これからいろいろ読んでみたい作家さんになりました♪
すずな@主
2007年08月03日 10:02
水無月・Rさん、こんにちは。
思ってた以上に濃厚なお話で、読み応えがありましたね~。
私も桜庭作品は初だったので、これから色々読んでみよう!と思っています。同志が出来て嬉しいです♪
2008年05月06日 00:35
こんばんは。ようやく読みました。
最初は厚さになかなか手が出なかったのですが、そこは連休のなせる業。なんとか24時間以内で。
で、思いました。これって恋愛小説じゃん。
すずな@主
2008年05月07日 09:32
>あまねちゃん
どもども。
最初はあの分厚さに躊躇するけど、読み始めると一気!だったよね。読み応えもあったし、読ませる魅力ありました。
お。同意者がいてくれて嬉しい♪これって恋愛小説だよね~。

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