回転木馬(柴田よしき)

切ないというかねぇ・・・もう、堪らない。えぐえぐ泣きながら読了。

失踪した夫貴之を探す為に、夫のあとを継いで私立探偵となった唯を描いた連作短編集「観覧車」の続編。
貴之の失踪から10年。京都で暮らす唯は仕事で訪れた佐渡で偶然、貴之を見かけた。・・・というところで、終わっていた「観覧車」。その後、貴之を探してだんだんとその存在に近づいていく。失踪の真相は。失踪から12年。貴之は何をしていたのか・・・。

最初の2章目くらいまでは、重くって辛くって切なくって・・・。特に2章。ラストのところで、読むのを止めようかと思った。これ以上は、ちょっと読みたくない。よしんば、無事に貴之と会えたとしても、これでは「良かったねー」なラストを向かえられるとは到底、思えないし。すっごくシンドイ最後を迎えそうだよなぁ・・・と、続きを読むのに勇気というか気力が必要だった。

・・・実際、ここで”おやつタイム”を取っちゃったし(笑)

「よし。」と気力を振り絞って、読み始める。
・・・・・・はぁ。
貴之がね、失踪した理由は、まぁ、おおよそ想像通りだったんだけどね。読んでた人誰もが想像してた通りだったんだろうけどねぇ。しょうがない、と言えばそうなんだろうけどさぁ。言わずにはいられない。覚悟を決めて選択したこと。それは貴之本人だけの事情だし、あなた一人だけの気持ち。ねぇ、唯は?唯はどうしてるのだろう、と考えなかったんだろうか。12年。貴之を忘れてくれるような、諦めてくれるような、そんな連絡をしようとは思わなかったんだろうか。事情を知らされず、貴之がそんな覚悟を決めた事も知らされず、ずっと探して探して待っている唯。彼女のその気持ちに思い至らなかったんだろうか・・・。どうしても、それが納得できなかった。愛しているのなら、彼女の負担を何とか取り除いてあげようとは思えなかったんだろうか・・・。たしかに、自分のことで精一杯だったんだろうとは思うけどね。そして、貴之の未練が、それをさせなかったんだろうというのも分からないでもないけどね。言葉が悪いけど、”虫が良すぎる”と思っちゃったんだよねぇ。。。

ラストはあっけなく訪れる。
なんか、雪がいきなり良い人になっちゃたような感じで。でも、彼女も虫が良すぎるっていうかさぁ・・・。どんな思いで「ゆい」を見なきゃいけないのか分からないでもないだろうに。確かに「ゆい」には罪はないけど。でも、「ゆい」を見る度に思い出さずにはいられないであろう、唯の痛みや諸々を思うと・・・堪らない。でも、唯は許してるんだよねぇ。強いな、彼女は。たしかに、そうじゃなきゃね、失踪したまま帰らない夫を12年もは待てないだろうけどね。

これから二人はどういう人生を送るんだろう。二人で乗り越えなきゃいけないことは多いけど、それでも二人で一つずつ少しずつ乗り越えていくんだろうな・・・。ツライ思いをした分、どうかどうか幸せに。穏やかに。そう願わずにいられない。


回転木馬

この記事へのコメント

2007年07月02日 18:09
物語としては、「せつない」という言葉がぴったりでした。
でもいろんな事情があるにせよ、納得できない部分もあり、本音はどうだったの? という突っ込みもしたくなった本。

コメント、TBありがとうございました。
TB出来なかったんで、コメントのみでごめんなさい!
すずな@主
2007年07月03日 09:43
juzjiさん、こんんちは。
せつない物語でしたね。
>本音はどうだったの?
わかります!突っ込んでみたいですよねぇ。

TBちゃんと届いています!
TBはスパム対策の為、承認制なのです。お手数、お気遣いさせてしまって申し訳ありません。コレに懲りず、何か合うのがありましたらTBくださいね。宜しくお願いします。

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  • 【回転木馬】 柴田よしき 著

    Excerpt: 「観覧車」から続く… やっと見つけた糸口。 知ることへの不安。 「逢いたい。もう一度彼に逢いたい…」 失踪した夫を追い続ける女探偵・下澤唯の前に、忌まわしい過去の事件が浮かび上がる…….. Weblog: じゅずじの旦那 racked: 2007-07-02 17:44