さまよう刃(東野圭吾)

ラスト部分を読んだのが会社でなければ、おそらく途中から泣きながら読む破目になっていただろうなぁ・・・と思う。こういう終わり方になっちゃうんだろうなぁ、とは思ってたけど。思ってたけど、やっぱりちょっと辛い結末でした。・・・で、終わるのかと思ったんだけどねぇ。「な、なにっ!?」というラストでした。ぬわぁ、やられたぁ;;;という感じで、しんみり浸り損ねたような気が無きにしも非ず。

娘が少年たちにレイプされた挙句、死亡した。娘の復讐の為に、逃げた少年を父親が追う。父親の想い。そして警察のジレンマ。

最初から最後まで、思い惑いながら読んだ。だって、これはお話なんだけど、実際にこういう事件は起こってるんだよね。読んでて現実感ありすぎ。おまけに「少年法」なんだもん。考えるな、惑うな、という方が無理。現実でも何かと議論される「少年法」。「少年法」という壁に守られた加害者。その壁に突き放される被害者や被害者家族。「少年法」という法律は理解できる。感情の部分でも理性の部分でも。でも、あまりにも凄惨な事件を目の当たりにすると、全てを一律に「少年法」というものに委ねていいのか?という思いを抱くことも否めない。現に今だって、被害者は”突き放される”って表現しちゃってるし・・・。

もし私がこの父親の立場になったとしたら、私はどうするのだろう。

そう考えた時、気持ち的にはこの父親に同調する自分がいる。実際の行動に移すかどうか・・・うーん。どうだろう。行動には移さないとは思うけれど・・・。でも、この父親のようにそれが可能なら、もしかしたら行動に移すかもとも思う。そういうことを思っている自分に、驚きも違和感も感じない。だって、今の日本の裁きで納得出来るっていう自信はないもん。極刑に処せとは言わないけれど、加害者が未成年の場合、特に凄惨な事件になればなるほど、罪に対して計が軽すぎると感じることはあるし。だから・・・、それなら、いっそ・・・、と思うかもしれないなぁ。それでも、やはり・・・、それだけは・・・、という思いもあるんだよね。

そんな訳で、どうだろう?そうだよね。いや、でも・・・と、読みながら気持ちがゆらゆらぐらぐらと揺れ動いた。これだ、という答えを出せない。どれもシックリこないような気がするし。色んな人がいるのが当たり前なのに、「少年法」というもので人括りにするってのも違うような気がするしね。現実に、凄惨な事件が起こる度に議論され、改正もされたりしてる訳だし。まぁ、でもね。実際には、加害者よりも被害者(家族)の気持ちに、より寄り添っている自分がいるけどね。

あー、なんかイマイチ上手く文章にできない。自分のボキャブラリーの貧困さにギリギリしちゃうよ、こういう時は特に。

和佳子に、とっても親近感。わかる。その気持ち。その行動。ということで、この作品は、ほぼ和佳子目線で読んだ。

そして、警察官の面々。残虐な加害者を守る為に、被害者の父親の行方を追わなければならない。そんな警察官たちの、忸怩たる思いも痛かった。

ある警察官が最後に言ったセリフがとても印象に残った。そして、そのセリフにすごく共感している自分がいた。

さまよう刃

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック