檸檬のころ(豊島ミホ)

短編連作集。
高校生と、その高校生達と接点をもつ大人が交互に主人公となって語られる。どの短編にも他の短編の登場人物が顔を出して、それで全てが繋がっている。

・タンポポのわたげみたいだね(高校生)
・金子商店の夏(大人)
・ルパンとレモン(高校生)
・ジュリエット・スター(大人)
・ラブソング(高校生)
・担任家業(大人)
・雪の降る町、春に散る花(高校生)

どれもこれも、痛い。痛すぎる。読むのが、けっこう辛かったなぁ・・・。高校生編はあの頃を思い、大人編はリアルタイムで感じる。ぶっちゃけ本当にめちゃめちゃ”きっつぅー;;;”という感じ。

特に好きだったのは「ルパンとレモン」。でも、読むのが一番キツカッタのもこれでした。ぎしぎしと胸が鳴り、ぴりぴりとかさぶたをめくられるような、そんな痛さ。人は、想いは、変わっていく。ちゃんと自分も同じように変わっていかなければいけないのに、気付くと独り置いてかれてる。立ちすくむ。変わらなきゃ。変えなくちゃ。分かってるけど、なかなか変えられなくって足掻くだけ・・・。あのラストでいいんだと思うんだけどね。欲を言うなら、別の短編でいいから、西くんになんか希望というかね、そんなものを感じさせるラストにしてほしかったなぁ、と思います。

著者があとがきに書いてらっしゃいました。
年を経るごとに、嫌なことはすこしずつ薄まっていって、楽しいことだけが濃度を増していく気がするから不思議です。

そうかぁ。私は逆。楽しいことは薄くなって思い出せないのに、嫌なこと、忘れたいことは濃度を増して頭から心から消えてくれない・・・んだよ。

檸檬のころ

この記事へのコメント

2007年07月13日 15:16
誰もが経験している高校生活の場面、その時の心の揺れの描き方が見事でした。
「ルパンとレモン」うぁ、ぎしぎしぴりぴりは痛すぎます…。かなりリアルに伝わってきました。置いてかれてる感、すずなさんもあるのですね。
嫌なこと、忘れたいことが消えなくて濃度を増してるのは怖いです。それは若いからかも。私も昔は許せないこといっぱいあった気がしてますが…外してます?
年取ったので、過去は楽しむためにあるって思うようにしています(将来が楽しめないのも嫌ですが、笑)。
すずな@主
2007年07月13日 16:15
>藍色さん
わ、若くないんですよー^^;;;なかなか成長出来ないだけなんです・・・。
ふと思い出すのは思い出したくないことが多くて;;;「過去は楽しむためにある」って言葉、とっても心に沁みました。私もそう思うようにしたいと思います。

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  • 檸檬のころ 豊島ミホ

    Excerpt: イラストレーションは小林愛美。ブックデザインは鈴木成一デザイン室。 ある地方の進学校・北高の生徒たちと、北高にまつわる大人たちを描く連作短編集。書き下ろし。 タンポポのわたげみたいだね:私・橘.. Weblog: 粋な提案 racked: 2007-07-13 15:18