名もなき毒(宮部みゆき)

この世界には、色んな名前で色んな形で色んな場所に『毒』が存在する。この世界で生きていく以上、『毒』と全く関わらずに生きていくというのは難しいものだなぁ・・・と。

宮部作品にしては、最初からぐいぐいっと引っ張られる感は無く・・・。読みながら、「あれ、これはもしかしてハズレ?」という思いも持っちゃったんだけど。ラストに近づくにつれ段々と引き込まれ、最後には思わず感涙。

「話せばわかる」というけれど、どうやっても通じ合えない人っているよね。どうしたら、そう思っちゃうのか、どこをどう解釈したらそんな風に考えちゃうのか・・・。冷静に対処しようとするんだけれど、相手のパワーに取り込まれちゃってついつい感情を爆発させてしまう。結果、徒労と絶望と軽蔑と自己嫌悪で自分がずたぼろに・・・。

あぁ、嫌だ。


この1冊で色んな『毒』が描かれている。ちょっと欲張り過ぎかな、という感は否めない。でも、それがラストにはジクソーパズルが完成した時のように、すべてがパチッとハマル。どちらかというと哀しいラストなんだけれども、なんだかスッキリする感じかな。

名もなき毒

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック