風に舞いあがるビニールシート(森絵都)

やっぱりこの人の文章は好きだなぁ、と思った。

短編集。直木賞受賞作。
男女それぞれ3篇ずつ主人公になっていて全部で6編。

短編は苦手な方で、読んでるうちにだんだん飽きてきちゃって・・・。辟易しながらラストを迎えるってことも多々あるんだけど。この作者に限っては、それがない。

確かに優劣はあるけれど、どのお話もそれなりに好き。強いてあげるとすれば、「鐘の音」そして、表題作の「風に舞いあがるビニールシート」かなぁ・・・。
いや、でも「ジェネレーションX」もいいよなぁ。最後のオチがねぇ。「ぶ。」と笑える感じがいいなー。人生ってそんなもんよねー、なんて思ってしまう。「犬の散歩」は色々と考えさせられる。うちにも極甘でやりたい放題させている猫ちゃんがいるので、こういう話には弱い。

「鐘の音」はね。すんごぉーーーい暗い暗い暗ぁーい話かと思いきや、「あら、そうでもなかったのねぇ」という読後感。若さゆえの傲慢さとかそんなものを懐かしく切なく想う・・・という感じかなぁ。「ジタバタしたってね、結局はなるようにしかならないのよねー」なんてことをフト思った。・・・これを読んだ感想としては、何だかちょっと違うような気もするんだけどね。

そして「風に舞いあがるビニールシート」タイトルに唸る。上手いっ!”生きてく”ってことは「風に舞いあがるビニールシート」になって、自分の意思ではないモノに翻弄されて、されまくって、どっかに運ばれていくってことなのだな、と。そんなことを思った。

あ。収められているお話の主人公は、みんな自分ではないモノ(他者)に影響されて人生を渡っている人達ばっかりだわ、そういえば。そっかー。そういうことかぁ。これ打ちながら気付いたよ。鈍いなぁ、私って・・・。ひとつの短編タイトルでありながら、全部のタイトルでもあるわけなんだ。ほえー、改めてスバラシイ。

風に舞いあがるビニールシート

この記事へのコメント

2006年10月26日 16:21
おっじゃましま~~~す♪(^^ゞ
お招きありがとね☆

森絵都さんの作品はみんな絶賛してるよね。
うちのブログでちょろっと書いた映画の原作も森さんだったんだよ。
今度読んでみようかなあ。

それにしても。
すごい読書量だよねっ!
いや~~~とても真似出来ません☆(A^_^;
すずな@主
2006年10月27日 09:30
いらっしゃいまし♪
映画の原作って何だろう?リサーチ不足ですんません^^;
「ショート・トリップ」なんかオススメです。1篇が2~3ページの旅をテーマにした短編集です。笑えます☆

えっと、そうかなぁ^^;<読書量
単に他にすることがないだけという信憑性の高い噂があります;;;

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