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zoom RSS 犯罪小説集(吉田修一)

<<   作成日時 : 2017/02/22 15:50   >>

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5つの犯罪を描いた短編集。

女児行方不明、内縁の夫の依頼殺人、ギャンブルの末の横領、集落内の村八分からの大量殺人、元野球選手による強盗殺人と、5つの事件それぞれがどこかで読んだような・・・と思っていたら、実際に起こった事件をベースに書かれたお話だったようで納得。

どのお話も、発端は些細なことで、そのちょっとしたことから犯罪に発展していく過程が描かれていて、なんともやるせない、切ない気持ちになりました。
特に集落内の村八分からの大量殺人を描いた「万屋善次郎」はね、加害者に心からの同情を禁じえない。もちろん、殺人を肯定する気持ちは一切ないけれど、そういう行動に走らせたのは、被害者の村人たちにも原因がある訳で。もっと違うカタチで不快感を伝えるとか、やりようはあっただろうに・・・と思えてなりません。まぁ、それは、閉鎖的な村だけではなく、もう少し小さなコミュニティ単位で言うと、職場内でも、似たような人間関係の軋轢は起こったりするのだけれど、ね。ただ、殺人にまで発展してしまうとね。やっぱり、もうちょっとどうにか出来なかったのだろうかと思ってしまいますね。人間もだけれど、巻き込まれてしまった犬も可愛そうでした。

どのお話も、結末がハッキリ書かれてなかったりもして、スッキリと終われるものがなくて、もやもやが残るものばかり。読み進める毎に、心の中にそのもやもやが積もっていって、どうしよう・・・という気持ちになったんですが、最後の「白球白蛇伝」でなんとか救われた感がありました。親が犯罪者になっても、その子供には罪はないのだから。思わずね、涙腺が緩んでしまった。

些細な発端で犯罪に発展していく。こんなお話を読むと、自分もいつ何時、そうなるか分からない、そんな怖さも感じた1冊でした。



・青田Y字路
・曼珠姫午睡
・百家楽餓鬼
・万屋善次郎
・白球白蛇伝



(2017.02 読了)




犯罪小説集
KADOKAWA
2016-10-15
吉田 修一

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