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zoom RSS 展覧会いまだ準備中(山本幸久)

<<   作成日時 : 2013/01/31 05:43   >>

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東京郊外の公立美術館を舞台にしたお仕事小説。

大学時代、応援団長をしていた学芸員の今田弾吉。好きな仕事についたのはいいけれど、企画は却下されつづけ、なかなかやりたいことが出来ないでいる。そんな時、大学の先輩に鑑定を依頼された「羊」の絵について調べるうちに気持ちが変化し・・・。

著者お得意のお仕事小説なんですが、今まで読んだ中ではちょっとインパクトが弱いかなぁ。ラストはもうちょっとテンションが上がるかなぁと思ったんだけど、なんだかちょっと消化不良のまま終わっちゃった感じでした。

「羊」の絵の作者が江戸時代のお侍さんだったというのは意外性もあって興味が湧いたんだけど、リアルなお仕事小説に突然、ファンタジー要素が出てきてのにはちょっと違和感を感じてしまいました。まさか、オチまでもそれが使われるとは思わなかったので、そっちにもビックリ。基本はリアルなお仕事小説なのに、ファンタジーが入ってしまうとそのリアル感が薄れてしまって、ちょっと勿体無いなぁと思ってしまいました。

・・・と、ちょっと辛口感想から始まりましたが、面白く読んだのは読んだんですよ!

美術館では2年先まで企画が決まってるってこととか、企画から実現までは色んなハードルもあるし、準備期間もたくさん必要だってこととかね。「確かにそうだよなぁ」と思ったりしながら、あんまり馴染みのない職業なので、すごく興味津々で読みました。個人的に美術館は好きなので、展覧会などには出来るだけ足を運ぶようにしてるんですけど、改めて学芸員さんの苦労とか、美術館運営の大変さとかを感じる事が出来たのも良かったなぁ。これから、展覧会に行った時には、また別の観点からも楽しめるような気がします。

弾吉を始めとして、美術館の職員の方々も個性的で、なかなか楽しませて貰いました。そんな個性溢れる先輩の中で、弾吉が揉まれるというよりも、こき使われている姿はなかなか。「頑張れ〜」と声援を送りながら、ついつい笑ってしまったりもしたのでした。個性的な先輩達の中でも個人的に気になったのは「麗子像」そのままの姿をしているという窪内さん。実際にその姿を拝みたい!と思ってしまいました(笑)いや〜気になるなぁ。

気になるといえば、弾吉が先輩に鑑定を依頼された「羊」の絵も気になります。なんだか、眺めているとほっこり癒されそうな気がするなぁ。「羊」だけでなく、作者である乾福助の描いた他の絵も見たいなぁと思いました。弾吉には是非とも「乾福助展」を成功させて欲しいものです。

好きな職業に就けて羨ましいと周囲に言われつつ、なんだかシックリこなかった弾吉。私も羨ましいなぁと思いますが、好きだからってそれが楽だとは限らないんですよね。まぁ、大変でも、好きことなら頑張れる度合いは違ってくるんでしょうけど。弾吉が本当に好きなこと、やりたいことをやれるようになるのはもうちょっと先になりそうですが、ラストの福助とのやり取りにもあったように、「がんばって」欲しいなぁと思いました。サクラちゃんとも、ね(笑)



(2013.01.26読了)




展覧会いまだ準備中
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山本 幸久

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